自らワークショップに売り込みに行くタイプもおる


園 真野さんは、なんていうか、付き合いが長いから親族みたいになってきた(笑)。昔からよくがんばってるし、この人はプロだなと思いますね。
一番のきっかけっていうか、真野恵里菜っていう存在のすごさがわかったのは、僕が素人を相手にワークショップをやってたときなんですよ。
そのとき受講者の中に彼女が紛れ込んでいて、「ん? あれは真野恵里菜じゃないか?」って。

真野 はい、行きました(笑)。

園 素人っていうのはやっぱり素人で、事前に渡してあった台本を覚えずに、紙を持ったまま立ち稽古するのよ。
でも彼女だけは、プロだから当然って言えば当然なんだけど、ちゃんとセリフを入れて完璧な芝居をしてきて。
真野恵里菜ってやっぱりすげえなって、こんなところまでわざわざ来て俺にアピールしてるって思って。
他の人よりも椅子の片付けなんかもきちっと参加してたし、偉い子だなと。この子はちょっと面倒みなきゃいかんなと思いましたね。

──そんなことがあったんですね。真野さんはどうしてそのワークショップに参加されたんですか?

真野 いやもう、監督に会えますし、自分の芝居を見てもらって、いろいろ教えていただける機会だったので。
普段はワークショップに行くこともなかったし、監督さんによってはいろんなワークショップに行くことによって変な癖がつくことがあるから行かないほうがいいっていう方もいらっしゃるんですよ。
でも本当にこの方の作品に出たい、この人とお仕事がしたいって思ったので、これは行くしかないと思って。

──事務所の指示でもなく、ご自分の意志で。

真野 たまたまそのワークショップの情報を知ったんです。それで、どうしても行きたいからその日のスケジュールをどうにか空けてくださいって事務所にお願いして。行ってよかったです、本当に。

園 いやもう、本当によかったね。あれがなかったらこうなってなかった。

https://natalie.mu/eiga/pp/esper-movie/page/3