0001風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:19:09.45ID:dKhwRS3B0
(´･ω･`)「ボクはアウグスト・クビツェク」
家具職人の息子だ
( ¯灬¯ )「お疲れさん ほれ今月の給料だ」
(´･ω･`)「ありがとう」
( ˙灬˙ )「またオペラを見に行くのか？」
(´･ω･`)「う うん」
( ¯灬¯ )「そうか…まぁ余った時間で何をするかはお前の自由だ」
(´･ω･`) .｡oO（毎日、機械的に作業をする毎日）
でもボクの人生、こんなのでいいのかなぁ…
楽しみと言えば貰ったお金でオペラを見に行くこと
ま、小遣い程度だから立ち見しかできないんだけどね
あの柱の下が秘密の特等席なんだ
あれ？先客がいる
┃柱┃
彡(ﾟ)(ﾟ)
(;´･ω･` ) .｡oO（仕方ない）
こっちの壁にもたれながら見るか
今日の演劇は『魔弾の射手』だ
0027 警備員[Lv.5][新][苗]2024/04/14(日) 11:42:38.79ID:075FVcBy0
>>20
なるほどそうなんか
漫画や小説を元にして自分なりの文章で書いたんならすごいわ 0028風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:43:03.48ID:dKhwRS3B0
ボクとアドルフはろくな準備もせず家を出た
そして、小高い丘を登り始めてからしばらく
(‘@ω@`)「ア アドルフ 少しキツくない…？」
彡(ﾟ)(@)「そ そんなんじゃ屈強なゲンマンになれんで…」
彡(ﾟ)(ﾟ)「お 丘が見えてきた！ あそこからの眺めが最高なんや！」
┗(ﾟ)(@)ミ┓┗(‘@ω@`)┓三３
0029風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:44:02.71ID:dKhwRS3B0
ポツ…ポツ…
( ´-ω-` )「あーあ降ってきたよ…」
彡;(ﾟ)(ﾟ)「ここまで来たら引き返せん！」
彡(ﾟ)(ﾟ)「それに山の天気は変わりやすい すぐ晴れるわ」
┗(ﾟ)(ﾟ)ミ┓三三３ ┗(‘･ω･`; )┓三３
アドルフはボクの前をひたすらに歩いていく
あんなガリッポッチな体のどこにそんな体力があるのか不思議に思う…
彡()()「ゲホッゲホッ」
それに肺も弱いみたいだし…
0030風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:45:03.06ID:dKhwRS3B0
ザァー
(´･ω･`; )「ああ…本格的に降ってきた…」
川(ﾟ)(ﾟ)「うーん 自慢の前髪がびしょ濡れや」
(´･ω･`)「アドルフは前髪をいつも垂らしてるよね」
(´･ω･`)「せっかくの大きい目が隠れて勿体ないよ」
川(ﾟ)(ﾟ)「せやろか」
アドルフの顔は鼻筋が通っていて、すっきりした顔立ち
額は広く、いくぶん突き出ていて、鼻と口はわりと平凡
でも、なんといってもアドルフの特徴はその〝目〟にあった
0031風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:45:41.39ID:dKhwRS3B0
(‘@ω@`)「ヒイ、ヒイ…」
川(ﾟ)(@)「ハッ…ハア……」
(´･ω･`)「あ…」
川(ﾟ)(ﾟ)「や、やっと……」
(´^ω^｀)『頂上だ！』川(^)(^)
雨はいつの間にか止み、町の反対側まで一望できた
0032風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:46:40.87ID:dKhwRS3B0
Σ彡(ﾟ)(ﾟ)「お！ あれはリヒテンハーク城やん！」
彡(>)(<)「スケッチしたろ！」
(´･ω･`)「よくそんなに体力あるね…」
(´･ω･`)「体は僕より貧弱なのに…」
彡(ﾟ)(ﾟ)「毎日歩いとるからな ウォーキングは得意や」
Σ(ﾟ)(ﾟ)ミ「お、見ろやクビツェク ゲオルゲン村も見えるぞ」
(´･ω･`)「本当だね…」
彡(-)(-)「あそこは農民戦争の舞台になった場所なんや…」
彡(>)(<)「今度はあそこに行ってみるで」
(´･ω･`; )「えー…今更なにも残ってないでしょ」
彡(ﾟ)(ﾟ)「行ってみんとわからんやろ」
アドルフは異常なまでの真剣さを持っていた
たとえそれがどんな事でも、単なる遊びであっても
彼は関心のある問題
それも何千とある問題にまじめに取り組んでいた
0033風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:47:45.55ID:dKhwRS3B0
ボクの家の前
( ;´-ω-` )「やっと家に着いた…もうクタクタだよ」
(∗ 'ω' ∗)「クビツェクどうしたの？びしょ濡れじゃない」
(´･ω･`)「あ お母さん 写真館から帰ったんだね」
(∗ 'ω' ∗)「あら そちらのかたは？」
彡(•)(•)「私はアドルフ・ヒトラーと申します」
彡(•)(•)「いつもクビツェクさんとは楽しく過ごさせて頂いています」
(∗ 'ω' ∗)「これはご丁寧に」
0034風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:48:32.14ID:dKhwRS3B0
(´･ω･`) .｡oO（役者モードのアドルフ……）
よくぞまあ、ここまで見事に演じ分けができるよ
彡(^)(^)「いや～ お若く綺麗ですなぁ！」
彡(^)(^)「写真館の方もきっとよいお仕事をなされたに違いない！」
Σ(∗ 'ω' ∗)「あらお上手！」
〝生真面目な男〟
それがアドルフと短い時間で関わった人間が持つ彼の印象だ
0035風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:49:08.23ID:dKhwRS3B0
彡(-)(-)「それでは私はこの辺で失礼します」
彡(ﾟ)(ﾟ)/「ほな、またな クビツェク」
(´･ω･`)ﾉ"「うん またね」
(∗ 'ω' ∗)「彼がいつも話してくれるアドルフ君？」
(´･ω･`)「うん そうだよ」
(∗ 'ω' ∗)「すごい目をしている子ね！」
母の言葉には、称賛よりも驚嘆がこもっていた
0036風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:49:49.24ID:dKhwRS3B0
(´･ω･`) .｡oO（アドルフはたしかに雄弁である）
でも、アドルフの口から発せられる百の言葉はあまりに壮大で
すべて、虚構か妄想のたぐいにすぎなかった
それでも、彼の言葉に説得力があったのは……
アドルフのその目が本気であると訴えていたからだと思う
0037風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:50:41.55ID:dKhwRS3B0
ボクとアドルフは川遊びに来ていた
泳ぎには二人とも自信があった
なのに心配だからとボクのお母さんまで付いてきていた
┗(ﾟ)(ﾟ)ミ┓┗(‘･ω･` )┓三三３ (∗ 'ω' ∗) 三３
お母さんは一人、突き出た岩の上に立ち、ボクたちを見守っていた
0038風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:51:31.41ID:dKhwRS3B0
ドポン！
(´･ω･`) .｡oO(ん？なんの音だろう…)
アドルフが飛び込んだのかな？
Σ(･ω･`；≡；´･ω･)「あれ！お母さんがいない…」
(。ﾟωﾟ)「あ！溺れてる！！」
＼(´'д`｀)／
(›ω‹`；≡；´›ω‹)「どうしよう！？どうしよう！？」
( ; ›ω‹ ) .｡oO（は、早く助けなくちゃ…）
(´;ω；`)「わーん、どうしよう……」
ボクはパニックになってしまい、体が上手く動かせなかった
0039風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:52:12.02ID:dKhwRS3B0
ザパンッ
(。ﾟωﾟ)「あ、アドルフ！！」
＼(´'д`｀)／ (ﾟ)(ﾟ)ミ三三３
アドルフはなんの迷いもなく、すっ飛んでいった
＼(´'д`｀)／〵(ﾟ)(ﾟ)ミ三三３
そして無事、母は助かった
0040風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:52:47.34ID:dKhwRS3B0
(´'ω'｀)「ありがとうアドルフ君」
(｀'ω'´)「あなたは命の恩人よ！」
(´;ω;`)「ほんとうにありがとう アドルフ」
彡(ﾟ)(ﾟ)「当たり前のことをしただけや！礼なんていらんわ」
彡(-)(-)「ですが母君…」
彡(ﾟ)(ﾟ)「気をつけるに越したことはありませんよ」
0041風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:53:14.37ID:cGyITagdd
加筆されてるやん
0042風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:53:47.58ID:dKhwRS3B0
アドルフのお父さん
アロイス・ヒトラーは既に他界していた
以前、その事についてそれとなく聞いてみたことがある
( ´-ω-` )「お父さんはボクを家具職人にしたいと思っているんだよ」
(´･ω･`)「どう思う？」
彡(ﾟ)(ﾟ)「父親は子を縛りつけたがるもんや」
彡(-)(-)「ワイの親父もワイを役人にさせようと必死やった」
(´･ω･`)「へえ」
彡(ﾟ)(ﾟ)「まったく こっちはいい迷惑や」
0043風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:55:02.92ID:dKhwRS3B0
彡(ﾟ)(ﾟ)は語った
「あいつの仕事のせいで幼い頃は」
「オーストリア中を引っ越して回る羽目になったんや」
「まあ、 一時期バイエルンにいれたことだけは感謝しとるけどな」
「税関だかなんだか知らんが ワイらに高圧的にかかってきて」
「学校にいた時は成績やらなんやらでよく殴られたもんやで」
彡(^)(^)「死んでせいせいしたわ！」
(;´･ω･` )「そ、そうなんだ…」
(´･ω･`)「ねぇ、今度アドルフの家に行っていい？」
彡(ﾟ)(ﾟ)「ん？ 別に構へんで」
0044風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:55:51.76ID:dKhwRS3B0
(´･ω･`)「お邪魔します」
彡(ﾟ)(ﾟ)「母さん こいつは同志のクビツェクや」
(*^◯^*)「あら アドルフがお友達を連れてくるなんて珍しい」
彡;(ﾟ)(ﾟ)「う、うるさいわ」
(´･ω･`)「こんにちは」
(。ﾟωﾟ) .｡oO（おお…）
この目の大きさ…眼光…アドルフとそっくりだ！
(´･ω･`) .｡oO（でも、内面は父親似…）
おっと、これはアドルフに言えない…
0045風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:56:40.95ID:dKhwRS3B0
( ¯•ω•¯ )ｼﾞﾄｰ
アドルフのお母さん。クララ・ヒトラー(*^◯^*)
聞いていた通り素朴そうな印象だ
綺麗だけど、どことない悲しみの表情が見てとれた
(･ω･`≡´･ω･)キョロキョロ
アドルフの家はアパートの四階、質素な内装
歩くたびに床がギシギシとしなった
(´･ω･`) .｡oO（あまり裕福そうには見えないな）
0046風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:57:21.71ID:dKhwRS3B0
彡(ﾟ)(ﾟ)「部屋に案内するわ 」ギシギシ
(´･ω･`)「あ、この写真って……」
手入れの行き届いたカイゼル髭に少し怒ったような顔つき
そして、いかにもな役人顔
( ･෴･)y-ﾟﾟﾟ
十中八九、写真に映っているのはアドルフのお父さんだろう
0047風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:58:10.76ID:dKhwRS3B0
彡(-)(-)「今日はチビがいないからええわ」
彡(ﾟ)(ﾟ)「一度興奮し始めたらうるさいからな」
(´･ω･`) .｡oO（チビ？）
(´･ω･`)「ああ 確か九歳になった妹さんだよね」
(´･ω･`)「アドルフの兄弟って妹さんだけ？」
彡(-)(-)「うーん 姉がおるけど あれを姉とは……」
アドルフにはアンゲラという腹違いの姉がいた
彡(-)(-)「姉も姉なんやが」
彡(ﾟ)(ﾟ)「その旦那のラウバルって奴がまたエラくムカつく野郎で」
彡(•)(•)「酒、煙草、博打をやるクズなうえに」
彡(●)(●)「役人なんや！」
(´･ω･`) .｡oO（アドルフとの相性は最悪だね）
彡(•)(•)「更にムカつくことに」
彡(•)(•)「 あいつは役人になれと口煩く言ってくるんや！」
彡(●)(●)「ホンマ腹立つで！」
( ´-ω-` ) .｡oO（アドルフが激怒している姿が目に浮かぶよ）
0048風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:58:44.65ID:dKhwRS3B0
キャ♪キャ♬
彡;(ﾟ)(ﾟ)「チビが帰ってきよった！」
彡(ﾟ)(ﾟ)「 裏口から逃げるぞクビツェク！」ギシギシ
Σ(´･ω･`; )「待ってよ」ギシギシ
0049風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:59:18.11ID:dKhwRS3B0
( ;´-ω-` )「あーあ」
( ¯•ω•¯ )「オペラが始まるまでアドルフの家で時間を潰す予定だったのに…」
彡(-)(-)「すまん ラント通りでも歩こうや」
( ´-ω-` )「そうしようか……」
Σ(´•ω•`)「ん？あれは……」
前方から長身でスラリとしたブロンド髪の娘が母親と歩いてきた
J(„❛⌄❛„)(๑ ’ᵕ’๑) (ﾟ)(ﾟ)ミ(･ω･`)
0050風吹けば名無し2024/04/14(日) 11:59:55.67ID:dKhwRS3B0
(。ﾟωﾟ) .｡oO（すごい綺麗な人…）
でも見ない顔だな、引っ越してきたのかな？
(´･ω･`)「ねえ アドルフ。あの娘かわいいね」
シーン……
(´･ω･`)「あれ？反応がない」
(´･ω･`)ﾁﾗｯ
Σ(。ﾟωﾟ)「え？」
J(„❛⌄❛„) (๑ ’ᵕ’๑) (⦿)(⦿)ミ( °ω° )
ど、瞳孔が開いてる！只でさえ大きい目が更に大きくなってる！！
0051風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:00:37.30ID:dKhwRS3B0
彡(⦿)(⦿)（´･ω･) ε= J(„❛⌄❛„) (๑ ’ᵕ’๑)
母娘が去っていってもアドルフは動かなかった
彡(⦿)(⦿) (･ω･`)「ねぇ アドルフ 彼女はもう行ったよ…」
彡(⦿)(⦿)⊂(･ω･`)「元に戻ってよ…」
彡(⦿)(⦿)「クビツェク これは恋か？」
(´･ω･`)「だろうね」
0052風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:01:22.42ID:dKhwRS3B0
彡(⦿)(⦿)……
(;´･ω･` )「ねえ、聞いてる？」
彡(⦿)(⦿)……
(;´･ω･` )「ねえ！」
彡(ﾟ)(ﾟ)「調べるで！」
(´•ω•`)「え？」
彡(⦿)(⦿)「名前！住所！職業！家族構成！なにから何まで全部調べたる！！」
Σ(;´•ω•)「えぇ…」
アドルフ。それじゃあまるでストーカーだよ
( ;´-ω-` ) .｡oO（でも…こうなったらもう……）
どうしようもないや…
0053風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:01:56.42ID:dKhwRS3B0
あれから三日
なぜかボクがブロンドの彼女について調べることになっていた
┃ω･`)ﾁﾗﾘｯ… J(„❛⌄❛„)
0054風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:02:41.86ID:dKhwRS3B0
(⁻◎ω◎⁻)「彼女の名前はステファニー」
(⁻◎ω◎⁻)「住所はウアファール地区三番地三十四号」
(⁻◎ω◎⁻)「母は未亡人」
(⁻◎ω◎⁻)「ウィーンでは法律を学んでいたようだ」
彡(-)(-)「ほう…で…」
彡;(ﾟ)(ﾟ)「恋人関係は…？」
(;´･ω･` )「それが…青年士官と…」
彡()()「はあああああ～！～！～！」
彡(●)(●)「あんな見栄っ張りで空っぽ頭の軍人どもと…」
彡;(ﾟ)(ﾟ)「クソ…糞……ああ～！！」
彡(ﾟ)(@)「あ…あ…」
(;´･ω･` )っ㌧「ま まぁ こんなこともあるって…残念だけど…」
彡(⦿)(⦿)「いや！ 諦めん！」
(。ﾟωﾟ)！！
0055風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:03:08.18ID:dKhwRS3B0
アドルフは一人さっさと走り出した
┗(ﾟ)(ﾟ)ミ┓三三３ (‘･ω･`; )
0056風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:03:55.28ID:dKhwRS3B0
彡(ﾟ)(ﾟ)「なにしとるんやクビツェク！ ラント通りに行くで！」
(;´･ω･` )「昨日も一昨日も行って会えなかったじゃないか…」
彡(ﾟ)(ﾟ)「いいや！今日こそは会える！」
彡(⦿)(⦿)「会えさえすれば。この目力で彼女を振り向かせたる」
( ´-ω-` ) .｡oO（ボクはそういう意味で君の目を誉めたんじゃないんだけど…）
(。ﾟωﾟ)「あ！！」
か、彼女だ！ まさかこのタイミングで…！
彡;(ﾟ)(ﾟ)「よっしゃ！行くで！」
彡(⦿)(⦿)ジー
J(„❛⌄❛„)……
J(„❛ꇴ❛„) ニコッ
彡(⦿)(⦿)「やった…気づいてくれた…！」
0057風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:04:35.71ID:dKhwRS3B0
彡(^)(^)「やっぱり彼女もワイのことを…！」
( ;´-ω-` )「う～ん たまたま目が合ったから…」
(;´･ω･` )「愛想よくしただけだと思うんだけど…」
彡(-)(-)「いいや そんなはずはない。 直感でわかる…」
彡(ﾟ)(ﾟ)「ワイと彼女は相思相愛なはずや！」
彡;(ﾟ)(ﾟ)「でクビツェク！次は？次はどうしたらいい！？」
(´･ω･`; )「普通なら食事に誘ったり…」
(´･ω･`; )「ご両親に挨拶するんじゃない？」
彡;(ﾟ)(ﾟ)「いやいやいや それはちょっと早いやろ」
彡(>)(<)「やっぱもう少し ひっそりと愛を育んでから…」
(´･ω･`)「もう好きにしなよ…」
0058風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:05:23.70ID:dKhwRS3B0
それからアドルフは、彼なりの愛を表現するべく努力した
時には愛の詩を書き
また時には将来について真剣に悩んでいた
これには驚いた
アドルフの将来について
いったいどれだけ周りの大人が口を酸っぱくしたことか
( ･෴･)y-ﾟﾟﾟ(*^◯^*)『学校』 彡(ﾟ)(ﾟ) 『仕事』(´0｀(´0｀(´0｀
でも、どの言葉もアドルフには届かなかった
( ･෴･)y-ﾟﾟﾟ(*^◯^*) 彡(-)(-)「……」 (´0｀(´0｀(´0｀
なのに、一言も話していない彼女の声には耳を傾けたのだ
(„❛⌄❛„)「……」 彡(^)(^)「ワイは将来……！」
0059風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:05:46.50ID:dKhwRS3B0
(´･ω･`) .｡oO（恋の力ってすごいな…）
0060風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:06:24.88ID:dKhwRS3B0
(⁻◎ω◎⁻)「ボクの調べによるとね。 彼女はダンスが好きらしいよ」
彡;(ﾟ)(ﾟ)「ダ、ダンス…！？」
(´･ω･`)「これを気にやってみたら？」
(｀･ω･´)「 上流階級の人間にとってダンスは必修科目だよ」
彡;(ﾟ)(ﾟ)「いやや！ダンスなんて無意味で無価値で…とにかく駄目や！」
彡;(ﾟ)(ﾟ)「想像してみいや！音楽のないダンスを！」
彡(ﾟ)(ﾟ)「あいつらは気が狂ってるってわかるやろ！ 」
0061風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:07:08.34ID:dKhwRS3B0
〝パンを得るための仕事〟
といいアドルフの着眼点、発想、言葉のチョイスには驚かされる
〝音楽のないダンスは気が狂っている〟
なんてボクにはとうてい思いつけない
0062 警備員[Lv.5][新][苗]2024/04/14(日) 12:07:23.19ID:075FVcBy0
なんかついつい読んでしまうわ
0063風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:07:44.96ID:dKhwRS3B0
(｀-ω-´) 彡(-)(-).｡oO（No Dance! Fuck You Dance!! Go to Dance In Hell!!!）
と、ボクが感心しているそばで
アドルフはダンスをやらなくてすむ理由をずっと考えている
アイディアマンの彼でもこの問題には手を焼いていた
(≖ω≖｡)ﾆﾔﾘ彡(-)(-)
アドルフ、いつもさんざんボクをからかってきたよね
だから今回はボクの番だ
0064風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:08:29.83ID:dKhwRS3B0
(´･ω･`)「そんなこといっても仕方ないよ…」
(´･ω･`)「なによりステファニー本人がダンスを好きなんだよ」
(｀･ω･´)「やるしかないよ ほらこうやって彼女を誘うのさ」
‹‹\(´ω` )/››‹‹\( ´)/›› ‹‹\( ´ω`)/››~♪「シャルウィーダァアンスってね」
0065風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:09:57.84ID:dKhwRS3B0
彡(ﾟ)(ﾟ)……
( ; ›ω‹ )ドキドキ！
彡(●)(●)「あああ～！駄目や駄目や！断じて駄目や！！」
(。ﾟωﾟ)！！
彡(ﾟ)(ﾟ)「彼女は周囲に付き合わされて無理やり踊らされてるだけや！」
彡(-)(-)「彼女は洗脳されとるんや…」
彡(•)(•)「許さんぞ 脳なしの士官どもめ…！」
彡(●)(●)「彼女と結婚したらダンスなんてやらんですむようにしたる！」
(;´･ω･` ) .｡oO（やばっ、少しやりすぎたかな）
アドルフは壊れたレディオのように
彡(●)(●)「ダンスはダメや。ダンスはダメや」と呟いている
(´^ω^｀) .｡oO（まあでも、一晩たてばおちつくよね）
0066風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:10:34.11ID:dKhwRS3B0
次の日
( ;´-ω-` ) .｡oO（ダメだった…）
それからもアドルフの頭の中は
ヾ( ˙꒳ ˙ヽ)ダンス♩(ง ›ω‹ )วダンス♪⸜( ˙꒳ ˙ )⸝ダンス♫だった
家でもずっとそうらしく、クララおばさんも心配して相談してきた
(*^◯^*;)「アドルフが毎晩ピアノでワルツを弾きながらドタバタと五月蝿くて！」
(*^◯^*)「クビチェク君 なんとかならない」
(´･ω･`)「しばらくほっときましょう」
0067風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:11:15.34ID:dKhwRS3B0
二週間後
彡(-)(-)「クビツェク ワイは決めたで」
(´･ω･`)「長かったね やっと諦める気になったんだ」
彡(•)(•)「そんな訳ないやろ」
彡(-)(-)「ワイは…ワイは…」
彡(⦿)(⦿)「彼女と駆け落ちするで…！」
(。ﾟωﾟ)「え！誘拐！？」
0068風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:11:43.76ID:dKhwRS3B0
アドルフは極めて詳細に誘拐計画…愛の逃避行計画を練っていた
なんと！ボクの役割も決まっていた
ボクがステファニーの母と話して気を引いている隙に……
彼がステファニーを強奪するというのだ
はた迷惑にもほどがある…
でも、アドルフの計画には明らかな穴があった
0069風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:12:35.53ID:dKhwRS3B0
(;´･ω･` )「ねえ アドルフ…」
彡(ﾟ)(ﾟ)「なんや！」
( ;´-ω-` )「その後 君たち二人はどこで暮らすんだい？」
彡()()「う……」
彡(-)(-)
アドルフが黙った
(´･ω･`) .｡oO（あれ？）
もしかして初めてアドルフを論破したかも
0070風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:13:05.75ID:dKhwRS3B0
それからもアドルフはステファニーへ熱い視線を送っていた
だが、その日は彼女の機嫌が悪かったようだ
J(„❛へ❛„) 彡(⦿)(⦿)(･ω･`)
ステファニーは明らか煙たそうにそっぽを向いた
彡(◦)(◦)！？
アドルフは絶望の淵へと追いやられた
0071風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:13:50.63ID:dKhwRS3B0
彡;(ﾟ)(ﾟ)「もう耐えられへん！ 終わりにするで！」
彡;(ﾟ)(ﾟ)「橋からドナウ川に飛び込んだる」
彡(●)(●)「勿論、ステファニーも一緒に死ななアカン！」
(;´･ω･` )「えぇ…」
それから三週間。アドルフの頭にはその計画しかなかった
非力なボクは恐る恐る彼を見守るしかできなかった
0072風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:14:23.56ID:dKhwRS3B0
一九〇六年六月
ボクとアドルフは教会の前で
花馬車行列という催しを見ていた
⚘┌┘✞└┐⚘ 彡(-)(-)(･ω･`)
0073風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:15:10.93ID:dKhwRS3B0
(´･ω･`)「アドルフが言ってた通り…」
(｀･ω･´)「自然も芸術の一つだね」
(´･ω･`)「花と音楽がよくマッチしてる」
彡(-)(-)「せやな…」
アドルフはあの日から傷心したままだ
(´･ω･`)「花の投げ入れが始まったよ！」
彡(-)(-)「せやな…」
(。ﾟωﾟ)「あっ、見てアドルフ！ ステファニーだよ！」
彡(ﾟ)(ﾟ)「ファ！？」
(´･ω･`)「ステファニーが花馬車に乗っているよ」
彡(⦿)(⦿)「ほ、ホンマや！！」
ステファニーは赤いヒナゲシ、白いマーガレットに囲まれて
最高に魅力的だった
0074風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:15:37.43ID:dKhwRS3B0
アドルフはじっとステファニーを見つめている
すると、彼女は無邪気に微笑み
花を一本。アドルフに贈った
⚘┌┘✞└┐⚘ J(„❛ꇴ❛„)っ ✿(⦿)(⦿)ミ(･ω･`)
0075風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:16:19.14ID:dKhwRS3B0
そのときのアドルフの顔はとても幸せそうだった
(´･ω･`).｡oO（よかったね、アドルフ）
一事はどうなるかと思ったけど
何も起きなくて本当にホッとしたよ
0076風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:16:47.13ID:dKhwRS3B0
祭り後
彡(-)(-)「やっぱり……やっぱりそうやったんや」
彡(⦿)(⦿)「彼女はワイのことが好きなんや！」
( ;´-ω-` )「はぁ～」
0077風吹けば名無し2024/04/14(日) 12:17:28.79ID:dKhwRS3B0
ちょっと休憩