0001風吹けば名無し2023/05/25(木) 20:46:45.44ID:DWSkFOqn0
ある日
STARRY
廣井「お、おつかれー」
星歌「何がおつかれだよ、しね」
廣井「いや相変わらずひどいなー先輩は。はは」
虹夏「今日は一体何の用ですかー?」
廣井「あーお姉さんに似て冷たいなー?あ、えーっと、別に用があるってほどじゃないんだけど」
廣井「今日ってぼっちちゃんって、いる?」
星歌「はあ?あー、今日確かバイト入ってたはずだからそのうち来るんじゃない?」
廣井「ふーん、そっ、そっかー」
星歌「なんだおまえ?なんか今日様子おかしくないか?ひょっとしてぼっちちゃんと何かあった?」
廣井「え!?い、いや別にそんなことない…んだけど、あはは」
0002風吹けば名無し2023/05/25(木) 20:48:26.90ID:GSH5LrHsa
これすき
0003風吹けば名無し2023/05/25(木) 20:48:32.65ID:DWSkFOqn0
……
昨日
廣井「え?好きって…私の事?、…あーうん!わたしもぼっちちゃんのこと好きだよーあはは」
ぼっち「……」
ぼっち「あ、あの…そういうんじゃ、ないんですけど」
廣井「…え?」
ぼっち「そ、そ、その…そういうんじゃなくて…、おねえさんには先輩バンドマンとして…いろいろ助けてもらって…その…
ライブとかすごくお、お姉さん…カッコいいから…その…」
ぼっち「す、すきになったんです…、おねーさんのこと」
廣井「…え、ええっと…」
0004風吹けば名無し2023/05/25(木) 20:49:07.32ID:DWSkFOqn0
廣井「え、あの、ぼっちちゃん。じょ、冗談、だよね?その」
ぼっち「……、違います、けど」
廣井「へ、へえ…そう」
廣井「け、けどあ、あの…わたしその、30手前で酒飲みでこんなだし、ぼっちちゃんはまだ10代でまだ前途ある若者であって
あのもう一度よく考えてもらって…ええとその」
ぼっち「ぐす…」
廣井「え…」
ぼっち「あ、ご、ごめんなさい…、は、はは…そ、そですよね。わ、わたしなんかが、おねえさんに相手にされるわけ…ないですよね」
ぼっち「わ、わたしなんかが…、告白…す、するなんて…おこがましかったですよね、ご、ごごめんなさいっ」
廣井「あ、い、いやぼっちちゃん。わたしそういうつもりでいったわけじゃあ…」
ぼっち「ご、ごめんなさい、わ、わたし、そ、その…、し、失礼しますっ」
廣井「あ、あの、ぼ、ぼっちちゃん!?」
0005風吹けば名無し2023/05/25(木) 20:50:06.47ID:DWSkFOqn0
回想終わり
廣井「……」
星歌「やっぱりお前おかしいだろ、ウチに来てなんでそんな静かに座ってんだよ」
廣井「あ、い、いやまあ…なんというか、そういう日あるといいますか…その…あ、あの…」
PA「廣井さん、確かに今日は様子がおかしいですね」
虹夏「なんか大人くしてもにょもにょして…なんか静かにしてると、ちょっとだけ、ぼっちちゃんに似てるかも」
廣井「!??は、はああ!?そ、そんなことないしっ!いや全然いつものわたしっしょ!?」
0006風吹けば名無し2023/05/25(木) 20:50:33.05ID:DWSkFOqn0
喜多「こんにちはー」
星歌「おう、おつかれ?あれ、ボッチちゃんは?一緒じゃなかったの?」
喜多「ああ…今日学校休んでるみたいで、心配してロインで連絡したら具合悪いみたいで。
今日のバイトも休みたいって」
虹夏「ええ、そうなんだ、心配だな」
星歌「まじか、大丈夫かよ…って何お前、顔青くなってんだ」
PA「ホントですね、いつもはお酒で真っ赤なのに。めずらしい」
廣井「そ、そ、そうかなー、あはははははは」
0007風吹けば名無し2023/05/25(木) 20:50:55.84ID:DWSkFOqn0
廣井「ね、ねえ喜多ちゃん。ちょっと教えてほしいことがあるんだけど」
喜多「はい?」
………
琵琶島神社
ぼっち「……」
ぼっち「(…はじめて学校をさぼってしまった…それにバイトもずる休みしてしまった…ああ、しにたい)」
ぼっち「(みんなに申し訳ない…けど、今はもう何もやる気出ない…それに…)」
ぼっち「(おねえさんにあったら気まずいし…、ああ私のバカ、なんで勢いにまかせて…あんなこと…)」
廣井「あーいたぼっちちゃん」
ぼっち「!!?」
0008風吹けば名無し2023/05/25(木) 20:52:15.95ID:DWSkFOqn0
ぼっち「お、おおおねえさん、な、なんでここにっ」
廣井「うん?ぼっちちゃんのこと気になって、みんなにぼっちちゃんの住んでるトコ教えてもらって行くとこだったんだ。
けどこんなところでズル休みしてたなんて、ぼっちちゃんもロックしてるねー」
ぼっち「し、しし失礼します」
廣井「あ、ほら逃げない逃げない」
0009風吹けば名無し2023/05/25(木) 20:53:47.14ID:TZujF6SpM
続けろ
0010風吹けば名無し2023/05/25(木) 20:53:48.64ID:DWSkFOqn0
ぼっち「……、こないだは…困らせるようなこと言ってしまって…ほんとすみません」
廣井「えー、困ったりしてないよ、むしろそんなふうに思われてうれしいし、けどまあ、なんていうか」
廣井「私もぼっちちゃんの年頃のころは、年上の人にそういう感情抱いたこともあったといえば
あったし…まあ、気持ちはわからなくはないんだけど…」
ぼっち「……」
ぼっち「……だれですか」
廣井「え?」
ぼっち「その、おねーさんが好きだった人って」
廣井「え、いやそれは…」
0011風吹けば名無し2023/05/25(木) 20:54:12.41ID:DWSkFOqn0
10年前
楽器店
星歌『さっきベース買ったばっかりで返品って…、いったいなんでまた?』
廣井『あ、あのその…、つ、つい勢いで買ってしまったけど…、けど、私なんかががんばって練習したって
どうせうまくならないだろうし…』
星歌『はあ…、わたし、下北のほうでバンドしててさ』、
廣井「え?」
星歌『担当はギターだけど、まあベースも教えられなくはないけど?』
0012風吹けば名無し2023/05/25(木) 20:55:58.65ID:DWSkFOqn0
ライブハウス練習場
星歌『ばーか、へたくそ、そこなんでそんな弦の押さえ方になんだよ』
廣井『先輩、わたしにはやっぱ無理ですよ、やっぱ返品しますからっ』
星歌『だから簡単に諦めんなあほっ』
……
廣井『や、やった。先輩っ、ココのパート通しで弾けるようになりましたよっ』
星歌『ああ、お前才能あるよ、諦めなくてよかっただろっ』
廣井『先輩…』
0013風吹けば名無し2023/05/25(木) 20:56:21.44ID:DWSkFOqn0
ライブハウス
星歌『今日は聴きにきてくれてありがとうございますっ、それじゃ最初の曲を…』
『…っ♪…♪』
廣井『(……)』
廣井『(ギター弾いてる先輩…いつみても輝いててかっこいいな…)』
廣井『(私ももっとベースがんばって、それから自分のバンド作ってがんばってみよう)』
廣井『(それで…もっと先輩に認めてもらうんだ…そしたら…)』
廣井『(……そのときは…)』
0014風吹けば名無し2023/05/25(木) 20:56:39.50ID:DWSkFOqn0
廣井「おえええええええっ!!」
ぼっち「お、おねえさん、急にどうしたんですかっ」
廣井「い、いやそのっ…、わ、若気の至りが…!…き、気持ちわるっ…脳みそ取り出して丸洗いしたいっ!」
廣井「ま、まあ誰とかはおいといて、まあ、確かに…その人にあこがれて頑張った時期もあったかなっ」
廣井「けど、憧れと好きと違うっていうかその…、まあ、ぼっちちゃんの私に対する気持ちも
そういうことじゃないのかなって…まあ、演奏うまい先輩、すげー、的なそういう」
ぼっち「……」
0015風吹けば名無し2023/05/25(木) 20:56:58.94ID:DWSkFOqn0
ぼっち「それで…おねえさんが好きだった人は今どこに」
廣井「んー?あー気が付いたらその人はバンドやめちゃってて…いまは…さ、さあ…どこ行ったかねー?
…って好きっていうんじゃなくて、あくまで憧れだったってだけで」
ぼっち「おねえさんはやめませんよね、バンド」
廣井「え?」
ぼっち「おねえさんはその人に振り向いてほしくてベースの演奏やバンド活動がんばったんですよね。
わたしも…今よりもっと頑張って、おねえさんくらい演奏もうまくなって、結束バンドもSICKHUCKくらい有名になったら…そのときは」
ぼっち「わたしのこと…ちゃんとみてくれますか?」