例えば「車に乗る」はふつう「cha-lul than-ta チャルル タンダ」のように日本語の「を」にあたる「-lul/-ul」を使うが、在日朝鮮語では「に」にあたる「-ey」を使って「cha-ey than-ta チャエ タンダ」と言う。「出張に行く」も本国では「chwul-cang-ul kan-ta チュルチャンウル カンダ」と言うが、在日朝鮮語では日本語式に「chwul-cang-ey kan-ta チュルチャンエ カンダ」となる。このあたりは土台となっている日本語の影響がもろに出ているようである。

用言の終止形の形が少ないのも在日朝鮮語の特徴の1つだ。基本的にハムニダ体とハンダ体のみが用いられ、ヘヨ体・ヘ体はほとんど用いられない。また終止形も「ha-nun-tey-yo ハヌンデヨ(するんですが)」のような婉曲形、「ha-nun-kwun-yo ハヌングニョ(しますねえ)」のような詠嘆形を用いることもまずない。「hal-kka-yo ハルカヨ(しましょうか)」「ha-ke-tun-yo ハゴドゥニョ(するんですよね)」「hal-theyn-tey-yo ハルテンデヨ(するでしょうに)」など、話し手の態度や判断を表すさまざまな形も全く用いられないといっても過言ではない。だから、終止形は「ham-mi-ta ハンミダ」「ham-mi-kka ハンミカ」「han-ta ハンダ」「ha-nun-ka ハヌンガ」の4つが主に用いられ、まれに「ha-ci-yo ハジヨ」が用いられるくらいである。

この辺はホンマか?