06年から21年にかけて、12球団のオープン戦とペナントレースの勝率の相関係数を算出してみると「0.177」という数字が出てくる。相関係数は2つのデータの関連性の強さを示し、1に近づくほど正の相関が強く、0に近づくほど相関が弱いことを示す。

0.177という数字は、オープン戦と公式戦の成績はほぼ無関係であることを意味している。オープン戦で勝てなくても悲観する必要はないし、好調なチームのファンも安心はできないということだ。

オープン戦と開幕後の目的が全く違うことを考えれば、これは驚くに当たらない。勝利を目指すペナントレースに対し、オープン戦では将来を見据えて若手に経験を積ませ、1、2軍の当落線上にいる選手をふるいにかけ、主力やベテランには調整をしてもらう。投手は打たれるかもしれないとわかりながら、あえて色々な球種を各コースに投げて相手打者の得意、不得意を探る。セオリーとは異なる奇抜な戦術を見せてシーズンの布石を打つこともあるだろう。