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ギラン・バレー症候群が恐ろしいんや😨

「起き上がれない」
 手と首から上を除き、力が入らない。「どうしよう。まさかこんなに急に悪くなるなんて」
 体が動かしにくい感覚は、2日前からあった。左ひざに力が入らず、会社から帰る途中に転びそうになった。
 その翌日、家の近くの診療所を受診した。脳卒中の疑いがあると言われ、その日午後には紹介された葛西昌医会病院(東京都江戸川区)に向かった。
 ところが、磁気共鳴断層撮影(MRI)検査を受けると、脳に異常はなかった。首をかしげる医師に聞かれた。「最近、食中毒とか感染性の胃腸炎になりませんでしたか」
 思い当たる節があった。1週間ほど前からひどい下痢で、ヨーグルトとおかゆしか口にしていなかった。体に力が入らないのも、食事が十分にとれないことで体力が落ちたせいだと思っていた。
 そのことを医師に伝えると「ひょっとしたら、ギラン・バレー症候群(GBS)かもしれません」と言われた。「ギラン・バレー?」。初めて聞く病名でピンとこなかった。
 GBSは、筋肉に信号を伝える末梢(まっしょう)神経の病気だ。筋力低下やしびれが主な症状で、重症になるとまれに死亡することもある。
 原因として、鶏肉を主な感染源とする細菌「カンピロバクター」による食中毒が有名だ。本来は、細菌やウイルスから体を守るための免疫の仕組みが、誤って自分の末梢神経を攻撃してしまうためだと考えられている。