研究チームは今回、動物の鳴き声と人の声を録音したものを隠したスピーカーから流し、動物たちが「ポジティブ/ ネガティブな声色」にどう反応するかをテストしました。

イノシシを除くすべてのウマとブタは、自分たちの仲間や近縁種の声だけでなく、人の声でもポジティブ/ ネガティブな感情を区別できることが判明したのです。

特に、ネガティブな感情を帯びた声色に対する強い反応が確認されました。

ブタを例にとると、ポジティブな音声を流したときは、普段の行動と変わりなく、リラックスした状態で室内を歩き回り、耳や尻尾もよく動いていました。

ところが、ネガティブな音声を流した途端、ブタの動きがピタッと止まり、耳や尻尾も動かさず、辺りを警戒し始めたのです。

また、ウマとブタが人の声の感情を識別できたのは、彼らが長い家畜化のプロセスの中で、人間との関係を密にしたことが原因でしょう。

研究チームは「人の感情を拾うのが上手い個体(ウマとブタ)が、繁殖に好んで選ばれたのかもしれない」と指摘します。

一方でイノシシは、人間に家畜化されなかった動物であり、人の声を自分たちとは関係のないものと捉えているのかもしれません。

https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/05/a0dd46ac1629b3cd45fe3ad427d94994.jpg
https://nazology.net/archives/109745